ウチでは朝日新聞を読んでいるのですが。
ここ、文化面で結構作家さんの短期連載コラムを載せてくれるんですよ。
人生でも、小説家としても大先輩のコラムに、毎回「ほうほう!」と前のめりに読ませていただいています。
最近では、漫画家の里中満智子先生が連載されてます。
里中先生がデビューされたのはまだ学生で、「漫画というのは教育に悪い!」と世に思われていた時代。
そうして苦労の末漫画家を志したものの、東京に出て夢の漫画家生活を始めても、想像していたのとは違う現実。
当たり前っちゃあ当たり前なんですが、有名な大先生でも売れない時代ってあるんですよね。
ていうか売れない時代が長い!
里中先生の作品を検索すると大量に出るんですが、初期って鳴かず飛ばずだったんですね。
これは浅田次郎先生のコラムでもそうだったので、下積み時代ってやっぱり誰にでもあるんだなぁ、としみじみ思いました。
しかしそれからヒット作がある時ポーンと現れると、とたんに売れっ子街道一直線!
コラムを読みながら「おめでとう!」って言いたくなりました(笑)
でも私が思うに、里中先生がヒット作を得て売れっ子になったのは、売れない時代に築き上げた出版社の編集さんたちとの信頼関係があればこそ、だと思うんですよね。
だって、ヒット作を出しても一発屋で終わる作家さんもいますから。
作家の仕事は、本を印刷して刷りあげることから逆算してスケジュールが動きます。
だから締め切りって大事というか、守るべきというより守って当然。
それよりどのくらい早く原稿を上げれるかが求められます。
昔の漫画やドラマであったような、締め切り過ぎて自宅に編集さんが催促に来る、なんてのはよほどの大先生にしかできないか、創作話です。
だからくれぐれも、大先生を真似て締め切り破りに憧れたりしないように!
おっと、話が逸れた。
つまり、編集さんとの信頼関係がとれていたから、出版社が「この子はいつかヒットを生むぞ!」と期待してくれていたのではないでしょうか?
でないと売れない漫画を数本書いたら切られますって。
案外知られていないようですが、漫画でも小説でも、ネタ出しの時点から編集さんの手が入ります。
絵や文章を手掛けるのは作家ですが、原案は編集さんとの共同作業なんですよ。
だから絵や文章をある程度描いたり書いたりできれば、編集さんの腕でなんどでもできるというわけ。
ま、それでも見せ方の才能というのはあるでしょうがね。
だからここで重要になって来るのは、「本にする作業がしやすいか?」になってくるわけですよ。
つまり締め切りを守ってくれるか、ですね。
同じようなものを作る作家が二人いたら、締め切りを守ってくれる人といつも破る人、どちらと仕事をしたいかなんて、明らかですよね。
実際里中先生も何本も連載を抱えていた頃は、日々締め切りと戦ってきりきり舞いしていたらしです。
こうした仕事に対する真摯な姿勢が、売れっ子になるか一発屋になるかを分けるんでしょうね。
この件に関して、過去に「う~ん……」と思った作家さんもいたのですが、これはまた次回。