明らかにネタだよね、って思ったのは私だけではないはずだ。
コメント欄では、「作者が脳内にあるストーリーを描き切るまでさせろよ」的なコメントが多い模様。
まあファンだったらそう言いたくなるのもわかるけどね。
「新連載のふがいないものより、銀魂のほうが数倍いい!」という意見も、当然と言えば当然と言えよう。
長期連載ゆえの安心感があるし。
でも編集者側としては、既存の長期連載におんぶで抱っこだと後で泣きを見ることは、嫌というほど思い知ったはず。
だから連載枠を開けて新人にどんどんチャレンジしてもらう方針は正しいと思う。
すぐに消える作品が多いとしても、その中から一つ飛びぬけた作品が出れば成功なのだから。
新人よりも大御所がいい、というのは楽に楽しめるからだろうけど。
でも、もうちょい新人にも期待してやろうぜ。
しかし、私個人としてはこの「最後まで描かせてあげないと作者かわいそう!」的な意見にモヤっとするものがあったりする。
素人じゃないんだから、与えられたページで納めるのもプロの仕事でしょう?
そう考えてしまうのはおかしいだろうか?
同人誌だったりで、「ペンが乗っちゃってどんどん話が膨らんでさぁ」というのはアリだと思う。
けど、プロの仕事ではページ数は決まっているわけで。
事前打ち合わせなんかで予定もちゃんと立てて、進められているはずなのである。
だからネームより前の時点で、何回の連載でどこまで話を進めて、単行本ではここまで納めるという打ち合わせは終わっていなければおかしい。
でないと、出版計画が立てられないじゃないか。
それに、編集部は本気で終わらせようと思っていれば、どんなにファンがゴネてもすっぱり終わる。
すっげぇ違和感ありまくりのラストでも、強引に終わる。
それは過去作品を見れば明らかであろう。
「俺たちの冒険はこれからだ!」ラストに、何度打ちのめされたことか。
だからこそ、この「終われませんでした謝罪」は、「いや、ネタでしょう?」と思ってしまうのだ。
しかしもし、本気で作者が終われなかったのだとしたら。
「ああ、この作者は終われない人なんだ」という感想が出てしまう。
同じ作品を長くやっている作者の中にたまにというか、よくいるのだ。
終わりのイメージが持てずにダラダラ描いて(もしくは書いて)しまう人って。
それが悪いとは言わない。
ダラダラ続けるのもある種の才能だから。
けれど、そういう人に「最終回を作ってね」というオーダーは難しい。
だって終わりのイメージがきちんと出来上がっていなければ、最終回って生まれないんですよ。
これ、小説でも一緒。
こういう場合に終わらせる方法はただ一つだけ、強引な打ち切りである。
ファンは連載が続くとわかってワクワクするだろう。
だが、作者によっては終われない自分がストレスになる場合もある。
ギャグ作家ほど神経質で繊細な傾向があるらしいから。
その場合、編集は作者に寄り添うのではなく、代わりにびしっと決断してやることで、作者が解放されることだってあるのではなかろうか。いろいろ書いたが、いつものようにこれはあくまで私の個人的意見でしかない。異論があるのは認めますから。
最後に。
空知先生、頑張ってください!
6月20日 追記
アプリにて本当に最終回を迎えられたそうで、空知先生お疲れ様でした!