日々是平穏

こちらは黒辺あゆみが創作について語るブログです

作品作りの情報収集って、たまにドツボにハマるよね。

以前、今書いている「推定公主」の世界観作りが大変だって話をしましたが。

 もう本当にね、中華系って調べ始めたら情報がとっ散らかっているというか。

 たまに「これって中国語でなんて言うんだ?」って思って調べ始めると、一日を費やすなんてことはままあります。

 ネットで調べれば一応単語としては出てくるものの、昔の中国ではどういった意味で使われていたのだとか。

 そうした時代背景とかその他諸々を調べると、いつの間にか時間が経っているんですよね。

 私が書いているのは架空の世界のお話ではありますが。

歴史系に手を出したら患ってしまう病が、「史実をとことん調べたくなる」病らしいですよ。

それは過去の大作家先生方が証明しています。

 初期の作品は結構ふんわりした感じの設定なのが、作品を積み重ねていくごとに史実に拘り出すのがお約束らしいです。

 そして困った現象が起きるのが、あまりに史実を調べ上げて書いているので、読者が作品を「歴史書」だと勘違いしてしまうこと。

 先生方はいくら史実を調べても、やはり「作家」なんです。より物語が面白くなるように加工、悪く言えば捏造するのは仕方ないことで。

 熱心な読者がその捏造部分を「これが史実だ!」って信じてしまうっていうのも、歴史小説あるあるみたいですね。

 

まあ、それはともかくとして。

 私も色々調べものをしていて、「こんな話があったのか!」というのを発掘してしまう時がままあります。

けど、それが危ないというか。

webだけじゃなくて、商業の作品でも、たまにありませんか?

「この設定っていきなりどっから出て来た?」という謎の路線変更。

私は今なら、「ああ、面白そうな設定を発掘しちゃったんだな」って思っちゃいますね。

 

いい設定を発掘したら、使いたくなるのが人情です。

けどそれを安易に、今書いている作品に反映させるのは危険ですから。

 「これは面白い!」というエピソードがあったとして、それを今の話にぶっこんでいいものなのか。

それとも別の作品として使うべきなのか。

作品の色というか、特色というか、そのあたりを見極め、線引きをきっちりしておかないといけない。

一つの小説にあれやこれやの設定を詰め込んだら、えらいことになりますから。

 

中華ものといえば、仙人世界のジャンルも有名ですよね。

古典で言えば「封神演義」とか「西遊記」とかあたり。

華流ドラマでも仙侠モノというジャンルがあるようです。

私も仙人モノは大好きですが、「推定公主」の中に登場させるのは、プロットを考える時点で止めておきました。

だって、話が壮大になり過ぎるんですもの。

仙人モノって、基本的に六界を巡って世界を救うのがパターンのようですから。

 

 

ついでに言えば、中華ファンタジーといえば十二国記が有名どころです。

けれどこれの初刊が出たのはネットで検索なんてできなかった時代。

作者の小野不由美先生は当時どうやって設定を調べたのか、最近非常に気になります。

多分、中国の歴史の専門書とかを読み漁ったんだとは思うんですがね。

それにしても、小野先生の単語のチョイスが少々アレといいますか。

同じ意味合いを持つ単語の中でも、格好良さ気な単語を選んでいるなって思えたりするんです。

これに気付いた時、勝手ながら小野先生にとても親近感が湧きました(笑)

 

一番「格好良さそう」を感じるのが、春官、夏官、秋官、冬官のチョイスです。

これが使われた時代って相当昔の王朝で、さらには長い時代使われていたのはむしろ「彩雲国物語」で出てきた単語の方なんですよ。

さらに王宮での一番下っ端を奄(げなん)奚(げじょ)と名付けたこと。

この呼び方って、実は当て字なんですよね。

だから漢字のテストでこれを書いたら不合格ですから。

それに奄、奚は奴隷を指す言葉でして。

もっと言えば奴隷は農作業や鉱山労働などの、人のやりたがらない重労働にあてられるのが通常。

宮城なんかの華々しい場所、しかも皇帝の近くで奴隷が使われる、なんてことは多分ないんですよ。

まあ私だって歴史の専門家ではないので、「違うよ」っていう意見があるかもしれませんが。

私としてはそのあたりの真実を争いたいわけではなく。

要は単語のチョイスってそれだけ慎重に調べようねってことなんですよ。

 

 私も後宮の一番下っ端をなんと呼ぶべきか、色々探しても出てこずに悩んだ経緯がありますから。

当然十二国記での呼び方は調べました。

そしてこの呼び方がオリジナル設定である可能性が非常に高いという結論に至り、しいては十二国記の設定自体を当てにするのは危険だということに。

ああ、このお話の設定を丸っとつかえたら、どんなに楽だったか。

でも、世の中ってそんなに甘くなかったですよ、トホホ……。