これ、笑いごとでも他人事でもないな、って思っちゃうんですよ。
なんでかっていうと、会社員とフリーランスの違いを、よくわかっていないままに個人事業主になった人が、やりがちなことだから。
会社員というのは、税金とか諸々の手続きを、全部会社がやってくれています。
源泉徴収云々も、意味が分からずともいわれたとおりに手続きすればいいんですよ。
でも、個人事業主はそうはいかない。
帳簿だって自分でつけなきゃいけないし、確定申告だって税金システムをちゃんと知っておかないと、うっかり脱税しちゃえるんです。
その補助として、世の中には税理士さんという強い味方がいるわけですが。
彼らは会社員時代のように、税金関連全てをお任せできる存在ではありません。
あくまで主で動くのは事業主、その補助に過ぎないんです。
領収書を集めておいて在庫や固定資産関連をチェックしておくとか、そういうのは事業主の仕事。
それらの結果をまとめるのが、税理士さんのお仕事なんです。
それができない、もしくは面倒なら、そもそも独立してはいけません。
そんで件の芸人さんですが。
法人として会社を立ち上げた理由で、「このくらいの稼ぎの人がみんなやっているから、そんなもんだと思って作った」みたいなことを言ってました。
つまり、この言葉から考えるに。
会社を作る意味や目的を把握しないまま、流行にのっかったつもりでやっちゃったわけですよ。
フリーランスで程度の稼ぎになると、税金対策で法人の会社を立ち上げる人は多いです。
この税金対策っていうのが、なんかイヤンな響きに聞こえるでしょうけど。
要するに簡単に言えば、お金の出入りを一か所に集めて、税金の計算をしやすくしようぜ、っていうのが目的なんです。
そう、みんな税金をちゃんと払うために、会社を作るんです。
なんといっても、脱税なんてことになれば、うっかりであってもニュースになってしまいますから。
そうなれば、フリーランスにとっては痛すぎる悪評です。
作家界隈でもいましたね、税金の計算をうっかりちゃんとしなかったばかりに、実名と顔と地元がバレてしまったお方が……。
そんな悲惨な事は、誰しも避けたいのですよ。
こうした事情から考えるに。
あの芸人さんは所属会社がお金の管理をしてくれていた頃は、全く税金とかに興味がなかった。
↓
ある程度の稼ぎになったんで、周りの先輩方に続いて会社を作るか、カッコいいし!
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税理士を置いとけば、今まで所属会社がしてくれていたみたいに、全部やってくれるんだろう? 任せるからよろしく~。
↓
税金払え? そんなの税理士に言えよ、そのために雇ったんだから。
↓
え、全部俺がしなくちゃいけないことだったの!?(イマココ)
こんな図式が想像できてしまうのは、私だけだろうか……。
芸人さんは以前にも無申告をして怒られたことがあったとのことだが。
その時は先だっての通り独立したての頃はよくあることなので、所属会社側のフォローもあったりして、「気をつけましょうね」で終わってくれたのかもしれない。
けど、それで終わってくれたせいで、本人が問題のデカさに気付けないでいたのかもしれず。
うん、怖いな、非常に怖い。
税金関連って、最初が肝心っていうか。
売り上げが低い頃から、色々勉強してコツコツと節税対策をしておくことが大事なんですよ。
各種控除の手配とか。
私なんて木っ端作家ですが、それでもそれなりに気を付けてますからね?
そして独立を考えている方、一冊は経理の本を買いましょう!