中村ふみ先生の「天下四国」というシリーズがあるそうですね。
私のアンテナに引っかかったので、ちょっと検索してみたら、またもやちらつく十二国記の影。
なんか、八咫烏シリーズに感じたモヤモヤ、再びですよ。
(そしてまたもや、まだ読んでない。検索したてだから)
この手の話は、自分にも降りかかってくる面があるので、デリケートな話題ではあります。
そう、ぶっちゃけ「百花宮のお掃除係」における「薬屋のひとりごと」問題ですね!
(本当にぶちゃけたよ!)
これについて、ちょっとだけ正直なところを語るならば。
「推定公主~なぜか宮女やってます」というタイトルで連載を始めた当初、投稿小説界における女性向け作品は「悪役令嬢ザマァ」一色でした。
そんな中で派手ではないものの掲示板などでよく話に上がる「薬屋のひとりごと」が、目新しく映ったのを覚えています。
「そうか、中華ジャンルでもウケるんだ!」と目からウロコでした。
さらに、モブが主人公っていうのが、当時はまだそうそう多くなかった、と思う。
ただ自分のアンテナが鈍かっただけかもしれんが。
それで、青春時代を十二国記他の中華ジャンル隆盛期に過ごした私にとって、中華ジャンルは一種の憧れのジャンルだったのです。
だから「モブ発進の中華を私も書きたい!」ってなったわけです。
だから、「薬屋のひとりごと」は私の恩人……いや、恩話? でありますね。
けど、後宮を舞台にしたモブというのは、宮女という立場、「薬屋~」での下女しかないんですよね。
舞台も狭い世界なので、用語や雰囲気が似てしまうのはある種の必然。
なので、「薬屋のひとりごとっぽい」という枕詞がついてしまうのは、甘んじて受け入れようと考えています。
だからこそですが、書き始めてからは「薬屋~」はあえて読まないようにというか、うっかり参考にしないようにしていますね。
他の中華の小説を参考資料にしないようとかも、気を付けています。
これは本のあとがきにも書いたけど、創作物はどこまでが一般的な単語で、どこからがオリジナル設定なのかが判別不明なためです。
これを確かめないままに使ったら、「薬屋~」の日向夏先生にもご迷惑がかかるので、気を使ってますよ!
なので主な参考資料は紫禁城のウィキか、購入した華流ドラマのムック本です(笑)
ムック本は、「ここは史実にないオリジナル設定です」っていう親切な注釈があるのですよ、ありがたい!
あと、「なんで中華ものはみんなしのとうこ先生のイラストなんだ!」問題もありますが。
たぶん、イラストレーターさんにとって中華絵は手を出しにくいジャンルなのでは? と考えています。
「百花宮~」もしのとうこ先生の他にも数人候補がいたのですが、受けていただいたのがしのとうこ先生だったのです。
「この先生の中華絵って見てみたい!」と編集さんと盛り上がったのですけどね。
コミカライズのshoyu先生にもご苦労をかけていますが、中華絵はやはり難しいみたいですね、素材とか……。
西洋素材ならば溢れるほとにあるけど、中華って本当に材料がない!
これも漫画を参考にするのは危険ですものね、どこがオリジナルデザインかわかならいので。
話がちょっと逸れたようですが。
なので中華というジャンルを流行の真ん中に引き戻した「薬屋~」という作品は、ラノベ界の小室氏あるいはAKBグループなのでは? とか思ったりします。
ありがとう、「薬屋のひとりごと」!
で、こんな自分語りを踏まえてからですが。
「天下四国」シリーズは、編集さんがなんていうか、モニョモニョ……。
まず、これは明らかに依頼された当初に編集から「そういう」オーダーがあったんだろうな、という感じではあります。
ちなみに私はそのようなオーダーをされたことはないですね。
ただ「恋愛ジャンルは流行っていないから、日常系の方がウケる」みたいなアドバイスはもらいましたっけ。
それで恋愛路線も視野に入れていたのを、ペイっと変更したわけです。
で、中村先生が投稿サイト出身ではないようなので、流行り廃りに乗るタイプではないでしょう。
でもその中でも、中村先生は「十二国記から遠ざかるように」という意識が見られる様子です。
表面の設定は同じだけど、読めば違いが判るっていう感じですから。
けど中村先生のその努力を、編集サイドの宣伝文句が「グイッ!」と強引に引き戻している。
「十二国記」「後宮の烏」シリーズにつづく……っていうあおり文句、「八咫烏」シリーズにまで被弾しているとか酷くない!?
これ、あれか? もしかしてコピーライターというか、宣伝に携わっている人って同じ人だったりするのか……?
グルメレポーターさんが言っていたのですが、料理を料理で例えるのは一番良くないそうな。
それと同じで、小説を小説で評するのってダメだと思います!
そして明らかに、十二国記のファンを動員しようとしている!
まあ、講談社って最近パッとしないものね。
大物作家さんが、余所の出版社に流れ出ていたりして。
でもそれだってそもそもが、こういう体質がダメなんだと思うの。
タイトルとかが今みたいなのじゃなくって、あの余計な煽り文句がなかったら、また違った人気が出たんじゃないのかなぁ?
凄そうな賞を受賞したくらいに、腕のある作家さんのようですから。
つくづく、編集さんよ……! って思うのでした。