後宮モノだったり官吏モノだったりが流行っているから、中華に手を出してくる作家さんが増えているけど。
個人的に「うん?」って思うのが、名前を漢字に変えただけな「中華」だったりする作品。
なんかね、最近視界をチラチラするもので。
他はめっちゃファンタジー設定まんまだったりして、これ、もともとカタカナファンタジーだったのが、名前だけを変換したの? とかいうのがちらっとあったりする。
中華ジャンルを「書き換えれば簡単に出来上がるジャンル」とか思われると、モヤるんですよ……。
だって、これがお江戸を世界にした歴史ジャンルだったなら、たぶんその人たちもそんな「名前だけお江戸」とかしないで、ちゃんと世界観作りをすると思うのよ。
独特な文化があるものね、侍とか忍者とか。
それが中華だと「漢字名前なら中華」が許されると思われると、しょんぼりします……。
もっと中華にリスペクト、くださいよぅ。
それに読者でも中華ジャンルガチ勢は、安易な世界観だとマジダメ出しをしてきますので。
私も彼らにツウコミされる羽目に陥らないように、新しい設定を出す時はそれなりに調べますよ。
中華ジャンルは、雰囲気作りが最も重要。
ファンタジーを置き換えるにしても、妖精とか魔物とかも、中華ではおなじみの六道世界に合わせたワードに合わせないと雰囲気崩れるし、いろいろ気を遣うポイントがある。
例えば、聖なるものは仙人関係にしたほうがいいし、魔物とかは妖魔もしくは妖邪とかにした方が雰囲気がアップする。
そういう細かい作り込みの積み重ねなのです。
あとは、安易に先発中華小説の用語を横流しせずに、ちゃんと調べるとか。
特に私が引っかかるのが、「下女」だったりする。
アレって、日本の女子の職業名なのよね。
奥女中・下女中の略称で、下女。
下人というお偉い人の家に従う仕事の女、という下女もあるけど、それはお偉い人専用の下働きであって、奴隷身分じゃない。奴隷は奴婢だ。
それに後宮みたいな雅な場所で使われる下女ならば、下女中の方でないとなのよね。
それを中華後宮の最下層身分に当てはめたのは、「薬屋~」のオリジナルなんです。
だから自分、「下女」は不採用にしたものの下っ端の呼び名を探してネットでは見つからず、華流ドラマのムック本に書いてあった「宮女」を採用したんですよね……。
あれは一週間くらい悩んだ。
うむ、私ってもしかして中華ジャンルの「宮女」のパイオニアかも(笑)
いや、絶対に先んじた人はいると思っていますけれども。
つまり言いたいのは、「下調べしてる?」ってこと。
みんな誰もが歴史的事実とオリジナルを上手く混ぜてますから、安易に使うとパクリ判定受けますよ!
こんなことを思ってしまうのは、そもそも私が中華モノの小説を昔っから好んで読んでいるファンだからなのかも。
中華にそれほどこだわらないなら、「これでいっか」となるのかも。
わかってますよ? これは私のエゴなのです。
「これが中華のルール!」とかは言いませんとも。
けど、言いたくなったので、ここで吐き出した次第です。
お粗末様でした。