日々是平穏

黒辺あゆみの Official Blog

RIDI BOOKS について、思うこと。

昨日もちらっと書いたんだけれど。

韓国のラノベ界は、今このRIDI BOOKS っていうサイトが勢いがあるんだってさ。

ridibooks.com

このサイトは、簡単に言うと、ピッコマを小説特化にしたようなものかな。

もとい、漫画とかも色々あるらしい。

 

そもそもこのRIDIっていうグループが、このWEBTOONっていう形式を生み出したらしいよ。

思えば、LINEも元々韓国の会社だし、今日本で流行る新しいツールって、ほぼ韓国からの流入なんだなぁ。

日本、韓国に喧嘩腰でやっている場合じゃないぞ!

 

まあ、それはおいておくとして。

RIDI BOOKS はコロナ禍のおうち時間で急速に流行って急成長したツールのようだ。

ピッコマ同様、話売りで小説を提供していて、ある程度まとまると巻売りが発生する。

話売りは100ウォン、日本円で6~10円程度。

まあゼロが一つなくなると思うと、計算しやすいか。

ちなみに1000ウォンでジュースとか袋ラーメンが買えるそうだから、100ウォンの物価価値としては10円で合っていると思う。

そして巻売りってなると、だいたい4000ウォン弱くらいになる。

 

私が今ドハマりしている「伯爵家の暴れん坊になった」という漫画の原作小説は、このRIDI BOOKS から出ていて、韓国で複数のラノベ賞を総攫いしている作品なんだそうな。

そんな賞総ナメな作品が、無料サイトではなく課金サイト発という事実。

この点が、今の日本のラノベ界ではありえない。

韓国にも、一応日本の「なろう」みたいな無料小説サイトっていうものはあるみたい。

けど、この課金システムのサイトが流行っていると。

 

日本の場合、無料サイトとそれを利用する出版社って、要するに出版社の「買い手市場」なんだよね。

ラノベ賞が「他で賞をとった作品お断り」を大前提としたルールであり、注意事項として表記もしてある。

それは、賞というのは出版社が自分で売るための名札で、看板だから。

けどさ、これが他の文学賞だと、一つの作品が複数の賞をとったって、普通にあるんだよね。

つまり、日本のラノベ関連の賞は、他の文学の賞と比べてちょいと低俗っていうか、格落ちモノなんだよね。

韓国の方が先を行っているなんて、悲しい現実です。

 

ちなみにこのRIDI BOOKS は、話売りだとWEBサイトから読めるから、ブラウザの翻訳機能が使える。

けれど巻売りになると、アプリでしか読めなくなって、翻訳機能なんてない。

つまり、RIDI BOOKS は小説をグローバル展開する気はなくて、あくまで漫画原作ってことなのかも。

もしくは、いずれRIDI BOOKS の海外版サイトを作るために、そのために含みを持たせているとか?

コッチの方がありそうな気がする。

ピッコマは小説読むには、微妙に不便だし、アレはやっぱり漫画のサイトなんだよな。

 

日本にRIDI BOOKS が上陸すると、出版社発の無料小説サイトって、普通に負ける気がするなぁ。

っていうのが、RIDI BOOKS は価格を全く紙書籍に合わせようとはしていない。

だって、紙の本の値段は日本とそう変わりないっぽいのに、RIDI BOOKS での巻売りが4000ウォン以内、つまり400円でお釣りがくるのよ?

そう考えると、日本の電子書籍はあくまで紙の本を買ってほしくて、電子書籍はそのオマケ機能と考えていることがよくわかる。

日本の電子書籍の話売りはだいたい50~100円くらいか。

ピッコマでいうと、話売りが67コインだけれど、ピッコマ韓国版のカカオページは500コイン=500ウォン、つまり50円か。

こう言うと「あれ、たいして違わない?」って思うけれどさ。

ピッコマに入っている漫画の日本発作品と韓国発作品では、一話のボリュームが大違い!

そもそも話売りしないで、巻売りオンリーな作品の方が多いくらいで、話売りで出てくるのはほぼ韓国勢。

韓国の値段に寄せると、日本は電子書籍をあくまで紙書籍の方に寄せるから。

しかも、電子書籍を紙の本の赤字補充分だという考えもあるから。

価格を下げられず、結果小さくして切り売りするしかないんだろうなぁ。

 

こんな風に電子書籍の値段が安いのに、韓国の電子書籍市場は日本よりも稼ぎがデカい。

しかも、韓国の国民は日本の半分程度だというのに、だ。

つまり、日本が「本が売れない!」っていうのは、本離れとかじゃあなくて、売る方が売り方を間違えているってことだ。

この電子特化のWEBTOONが入って来ると、日本の出版会社は荒れ地になるんじゃないの?

韓国の流行りは数年後に日本に来るんだからさ、いつまでも既得権益にしがみついていていいのかなぁ?

 

なんて思ってしまうのでした。

そして、ぜひRIDI BOOKS日本版に来てほしい! 原作読みたい!